『栄冠は君に輝く』(甲子園高校野球大会歌)の歌詞と楽譜(作曲)への作者の思い!

『栄冠は君に輝く』は、加賀大介作詞、古関裕而作曲の、夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)大会歌です。
いよいよ甲子園百周年です!
 今となっては、詞も曲も古風な雰囲気が強いと言える『栄冠は君に輝く』が、夏の甲子園大会で流れると、数々の試合の熱戦が脳裏に蘇る!
 古風でありながら、現代の球児達や観戦する我々にも通じ、高校野球の原点を思い出させてくれる名曲だと私は思うのです。




『栄冠は君に輝く』「甲子園高校野球大会歌」 とは?

『栄冠は君に輝く』は、

 加賀大介 作詞、古関裕而 作曲の夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)大会歌です。
「雲は湧(わ)き 光あふれて…」で始まる歌は、夏の高校野球甲子園大会だけにとどまらず、日本の夏の風物詩と言える存在になっています。
 この歌が流れると、私は高校野球の様々な熱戦や感動的な場面が思い出されるのです。

 しかし、高校野球の名場面には、必ずと言って良いほど、流れる不変の曲と言っても良い位の曲です。
 大会歌であり、テーマソングであり、挿入歌であり、CM曲でもあると私は思います。たった一曲で、上記の全てをカバーする『栄冠は君に輝く』は、音楽史上、希有な存在だと強く思います。
 この歌は、毎年のように、関西の朝の情報番組「おはよう朝日です」でも取り上げられていますので、皆さんもなじみが深い事と思います。




『栄冠は君に輝く』(高校野球大会歌の歌詞)に込めた作者の思い!

 歌詞の解説は、控えておきます。
 一つ一つの言葉は、ネット検索すれば、理解はできますね。
 一つ一つの言葉の理解ではなく、作品としての歌詞に、私が私情を挟むのは、失礼だと思うからです。
 作詞者は、推敲を重ねながら、この歌詞にたどり着いたと思われます。
 その深い思いを理解しようがない私が、さも、分かってるかのように解説する事はできません。
 例えば、何故、
 「空高く」ではなくて「天高く」なのか?
 「白球」ではなく「純白の球」なのか?
 等々、加賀大介さんの思いに心を寄せながら、各々が、自分の経験から生まれる想像力を膨らます事が、この詞を嗜むことになると信じているからです。
 加賀大介さんそんなことを思っていたのではないかと思うとともに、加賀大介さんの思いに近づけるような気がするのです。
 考えてみれば、文学を含め、芸術に類するものは、世の中に発表された段階で、独り立ちしてしまうものだと思います。
 この作品は、
 もはや、「詞」というより「詩(ポエム)」だと思うのです。
 所謂、詩(ポエム)は、文字を媒体として、我々に届く事が多いものですが、これは(定型詩)の形をした詞だと私は思います。
 更に叙景詩と叙情詩の要素が見られます。
 更に、音楽とマッチングしたことにより、視覚からの発信のみでなく、聴覚からの発信が出来ている!
 更に、この曲が出来た時は、想像出来なかったであろう、視覚と聴覚からの同時発信(テレビやネットの普及により)が可能になった現代では、より効果的だと思うのです。
 別記事でも、述べていますが、視覚に訴える言葉のみの発信は、受信者が能動的に見ようとしなければならないのです。
音楽か?騒音か? 違いは音量?耳障り?区別は何?騒音にならない音楽活動の在り方は?
  音楽を騒音と感じる人は意外と多いようです。 何故、社会的に市民権を得てきた「音楽」が騒音と感じられるのか? 音楽大好きな私としては、悲しいです。 騒音と感じられずに、音楽活動を継続するにはどうしたらよいのか...
 しかし、聴覚からの受信となると、受信者が受動的であっても発信出来る可能性が高いのです。
 さて、作詞者の加賀大介さんについて、書き留めておきたいと思います。
 加賀大介(本名・中村義雄)さんは、1914年に、石川県根上町(現能美市)で生まれました。
 野球用具も満足に確保できない乏しい日本で、手作りの野球道具で野球を愛し楽しんでいた中村義雄少年。ボール、グラブは珍しくない時代でした。
 地元で働きながら野球を楽しんでいました。
 ところが、中村義雄は、草野球で脚をケガし、それが原因で、右脚の膝から下を切断することになりました。働いていたとは言え、まだ16歳の少年にとっては、絶望的な出来事でした。
 文才のあった中村少年は、右脚の殆どを失った後、作家を目指しました。正に文武両道です。中村義雄、33歳の年である1948年に、夏の甲子園を主催する朝日新聞社が、夏の甲子園大会歌を公募します。これに応募した加賀大介さんは、5000を越える作品の中から「栄冠は君に輝く」が 採用されたのです。




『栄冠は君に輝く』(全国高等学校野球選手権大会)楽譜(作曲)に込めた作者の思い

 加賀大介の「栄冠は君に輝く」を手にした古関裕而は、実際に甲子園球場を訪れ、マウンドにたたずみ、名曲を生み出したと言われている。
 福島市の市役所公式Webサイトの解説によれば、『栄冠は君に輝く』の作曲前、作曲者の古関は甲子園球場に実際に足を運び、許可を得て(無人の)グラウンド中央のマウンド(ピッチャーが立つ場所)に立って、高校野球の熱戦の様子を想像しながら曲のアイディアを考えたという。
実際に、野球をしたことがない古関裕而が、マウンドに立っただけで、高校野球球児や高校野球ファン、更には、日本中の国民の大多数が認める楽譜を書き起こし作曲された事に驚きです。

 古関裕而氏は自伝で、甲子園球場の「無人のグランドのマウンドに立って周囲を見回しながら、ここにくり広げられる熱戦を想像するうちに、私の脳裏に、大会の歌のメロディが湧き、自然に形付けられてきた。やはり球場に立ってよかった。」と述べています。

<引用:福島市所Webサイトの解説より>

そして古関裕而氏の楽譜は、作曲家としての名声をゆるぎないものにし、高校野球球児の憧れの曲として歌い継がれ、高校野球界を彩り、甲子園球場を舞台とした高校野球のテーマソングとなり、高校野球のCMソングとしての役割も担ってきたと言えると思います。

きっと、高校野球が続く限り、未来永劫に歌い継がれ、演奏され続ける名曲だと思っています。

 




「おはよう朝日です」音楽関係者記事一覧!

最後に、途中でも取り上げましたが、「おはよう朝にです」というテレビ番組の音楽シーンに出演された、或いは取り上げられた音楽関係者の方の記事を一覧にまとめてみました。

私が投稿した記事のみですが、宜しければご覧ください。尚、本記事のURLも入っている場合もありますし、途中でリご紹介した記事も入っているかもしれませんが、ご了承ください。

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